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最近「無添加」「無塩せき」「化学調味料不使用」といった言葉をよく見かけるようになりました。
スーパーや通販サイトでも無添加や無塩せきといった表示が並び、体にやさしそうという印象を受けることもあります。
家族の健康を守りたい。
アレルギーを持つ子供や、持病のある家族のために、毎日の食事だけは良いものを選びたい。
そんな気持ち、無二ぱんだもよくわかります。
私自身、口腔アレルギーがあり、食べられないものがたくさんあるからです。
だからこそ「無添加=安心」と思い込んでしまう前に、表示の意味や添加物の正体を少しだけ知っておくことが、後悔しない選び方につながると感じています。
実は「醤油」「砂糖」「塩」「寒天」「昆布エキス」「酵母エキス」なども、使い方によっては「一般食品添加物」に該当することがあります。
表示だけではわかりにくいことも多いからこそ、今日は無二ぱんだと一緒に誤解されやすい添加物表示と、安心して選ぶための知識を学んでいきましょう。
- 添加物ってそもそも何?
- それでも気になる…「危険?」と思われがちな添加物たち
- 「無添加」表示に潜む誤解
- 完全無添加と無添加の違い
- 無添加に迷ったら、後悔しない選び方を
- 表示を見極めるためのチェックリスト
- まとめ 安心は表示ではなく、納得から生まれる
添加物ってそもそも何?
「食品添加物」と聞くと、なんだか人工的で体に悪そう…そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
でも、実はそのイメージ、ちょっとだけ誤解かもしれません。
食品に使われる成分の中では、添加物として扱われるものもあります。
たとえば、ジャムの甘さを保つための砂糖、ハムの色をきれいに見せるための発色剤、ヨーグルトの酸味を調整するためのクエン酸など、目的に応じてさまざまなものが使われています。
体の中にもある成分が、添加物になることも
添加物と聞くと不安になるかもしれませんが、実は身近な成分も含まれていたりします。
たとえば…
・グルタミン酸:うま味成分として知られていますが、実は体内でもアミノ酸として働いています。
・クエン酸:レモンなどに含まれる酸味成分。体の中ではエネルギー代謝にも関わっています。
・ビタミンC(アスコルビン酸):抗酸化作用があり、免疫にも関係する成分。酸化防止剤としても使われます。
・乳酸:筋肉内での代謝に関する成分。酸味料・保存性向上の目的で使用されています。
・カルシウム・鉄・亜鉛などのミネラル:骨や血液、神経伝達に関与。栄養強化剤として使用されています。
それでも気になる…「危険?」と思われがちな添加物たち
「でも、やっぱり不安…」
そんな声が聞こえてきそうなので、ここではよく検索される危険視されがちな添加物について科学的な評価と一緒に見てみましょう。
添加物の安全性は「一生涯、毎日摂取し続けても健康に影響がないとされる量ADI(Acceptable Daily Intake)」をもとに、体重50kgの人のADIを基準に、食品量がどのくらいになるかを見てみましょう。
1.亜硝酸ナトリウム(発色剤)
・使われ方:ハムやソーセージなどの色を保つためやボツリヌス菌の繁殖を抑えるために使われます。
・不安の理由:高温調理で「ニトロソアミン類」という発がん性物資ができる可能性があると言われています。
・安全性の目安:
→ADI:体重50kgで約3.5mg
→ソーセージ1本に約0.1~0.2mg含まれるため、毎日20~30本以上食べ続けない限り問題ないとされています。
2.アセスルファムk(人工甘味料)
・使われ方:ゼロカロリー飲料、ガム、ヨーグルトなどに使われています。
・不安の理由:一部の動物実験で発がん性や胎児への影響が疑われたことがあります。
・安全性の目安:
→ADI:体重50kgで750mg
→清涼飲料水1本(500ml)に約40~50mg含まれるため、毎日15~20本以上飲まない限り、問題ないとされています。
3.サッカリン(人工甘味料)
・使われ方:ダイエット飲料、漬物、缶詰など
・不安の理由:昔の動物実験で膀胱がんとの関連が疑われたことがありますが、現在は安全性が再評価されています。
・安全性の目安:
→ADI:体重50kgで250mg
→清涼飲料水1本(500ml)に約30mg含まれるため、毎日8本以上飲まない限り、問題ないとされています。
4.安息香酸ナトリウム(保存料)
・使われ方:スポーツドリンクや果汁飲料
・不安の理由:一部で「ビタミンCと一緒に撮るとベンゼン(発がん性物質)ができるのでは?」という懸念が広がったことがあります。
・安全性の目安:
→ADI:体重50kgで250mg/日
→清涼飲料水1本(500ml)に含まれる安息香酸ナトリウムは約20~30mg程度。
→毎日8~12本以上飲み続けない限り、ADIを超えないとされています。
5.アスパルテーム(人工甘味料)
・使われ方:ダイエット飲料、ガム、ヨーグルト、プロティンなどに使われます。
・不安の理由:2023年にWHOとIARCが「可能性のある発がん性物質」として分類したこで話題に。ただし、通常の摂取量では健康への影響はないとされています。
・安全性の目安:
→ADIは体重50kgで2,000mg
→清涼飲料水1本(500ml)に含まれるアスパルテームは約50mg前後。
→毎日40本以上飲まない限り、ADIを超えない計算になります。
こうした成分は、国の基準で使用量が厳しく管理されており、危険という印象を持たれがちな成分でも、実際には安全性が評価されているんです。
参考にしたサイト:厚生労働省・清涼飲料水中の安息香酸の摂取量調査、食品安全委員会・アスパルテームに関するQ&A、東京都健康安心研究センター・食品添加物一日摂取量調査
「無添加」表示に潜む誤解
無添加と聞くと何も入ってない、自然で安全と思ってしまいがちですが、実はその表示、必ずしも完全に添加物ゼロを意味するわけではありません。
消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を発表し、誤認を招きやすい表示パターンを10類型に分類しています。
消費者庁が示す「誤認されやすい10類型」とは?
以下は10類型をわかりやすく解説しました。
1.単なる「無添加」の表示
表示例:「無添加」だけが大きく記載されたパッケージ
注意点:何が無添加なのか明示しないと「すべての添加物が不使用」と誤解されがちです。
→「保存料無添加」「着色料不使用」など、具体的に何が除かれているのかを確認しましょう。2024年4月から具体的に示さないと違反あるいは行政指導が入ることも。
2.食品表示基準に規定されていない用語の使用
表示例:「化学調味料無添加」「天然由来のみ使用」
実例:「化学調味料不使用」と書かれたパックだが酵母エキス入り・昆布エキス入り
注意点:「化学」「天然」などの言葉は、法律上の定義が曖昧です。科学的な根拠がないまま「安心・安全」と結びつけると誤認を招きます。
→「化学調味料=悪」と決めつけず、うま味成分の種類や目的を理解することが大切です。
3.法令で使用が認められていない食品への表示
表示例:「無添加の天然水」「無添加の塩」
実例:ミネラルウオーターに「無添加」表記
注意点:そもそも添加物を加えることがない食品に「無添加」と書くと、他製品より優れているような印象を与えてしまいます。
→「無添加」と書かれていても、実質的な違いがない場合もあります。
4.同一機能・類似機能を持つ食品添加物を使用した食品への表示
表示例:「保存料不使用」だが代替の酸化防止剤を使用
実例:無添加ハム 保存料不使用だが酸化防止剤入り、pH調整剤入り
注意点:保存料(ソルビン酸・ソルビン酸カリウム、安息香酸、プロピオン酸など)を不使用としつつ同じ目的で別の言い方をする添加物「酸化防止剤(ビタミンC・ビタミンE)」「pH調整剤(水素イオン濃度調整剤)」が使われている場合は「無添加」とは言えません。
5.同一機能・類似機能を持つ原材料を使用した食品への表示
表示例:「化学調味料不使用」だが酵母エキス入り
実例:うま味調味料不使用のスープ(酵母エキス入り)
注意点:酵母エキスやたん白質加水分解物は「食品」扱いですが、うま味成分として使われているため、実質的に調味料と同じ役割を果たします。
→「食品添加物ではない=安心」ではなく、機能や目的を見極めることが重要です。
6.健康・安全と関連つける表示
表示例:「無添加だから安心」「赤ちゃんにも安全」
実例:離乳食に「無添加で安心」表記
注意点:「無添加=安全」と断定する表現は、科学的根拠がない場合、誤認を招く可能性があります。
→添加物の有無だけではなく、栄養バランスや摂取量も含めて判断しましょう。
7.健康・安全以外と関連つける表示
表示例:「無添加だから美味しい」「無添加で高品質」
実例:無添加ドレッシングに「素材の味が生きる」表記
注意点:無添加と味・品質を直接結び付ける表現は、根拠が曖昧な場合、誤認に繋がります。
→「無添加=美味しい」は一概には言えず、製法や素材に影響することもあります。
8.使用が予期されていない食品への表示
表示例:「無添加の白米」「無添加の野菜」
実例:白米に「無添加」表記
注意点:通常添加物を使わない食品に「無添加」と書くことで、他製品より優れているような印象を与えてしまいます。
→「無添加」と書かれていたとしても、実質的な差がない場合は冷静に判断しましょう。
9.加工助剤・キャリーオーバーに関する表示
表示例:「完全無添加」だが加工助剤が使用されている
実例:加工時に使われた酵素が残留している食品
注意点:加工時に使われた酵素や乳化剤などが残留している場合、「完全無添加」と断言するのは不適切です。
→表示義務がない成分もあるため「完全無添加」という言葉には注意が必要です。
10.過度に強調された表示
表示例:「無添加100%」「完全無添加」「無添加No.1」
実例:パッケージ全面に「無添加」を強調した食品
注意点:実態以上に優良であると誤認させるような強調表現は、景品表示法上の「優良誤認」に該当する可能性があります。
→「No.1」「100%」などの表現は、根拠や定義を確認することが大切です。
「無添加=何も入っていない」ではない理由
たとえば「調味料(アミノ酸等)無添加」と表示されていても、酵母エキスや昆布エキスなどうま味成分を含む原材料が使われていることがあります。
これらは「食品添加物」ではなく「食品」として扱われるため、表示義務がないのです。
つまり「無添加」と書かれていても、同じような働きをする成分が別の形で入っていることがあるということ。
これは「ウソ」ではないけれど、誤解を招きやすい表示なんですね。
実際の表示例と注意点
・無添加ハム
注意点:何が無添加なのか明記されていないと、すべての添加物が不使用と誤解される
・化学調味料不使用
注意点:化学調味料という定義は法律上存在しないため、誤認の可能性あり。
・保存料無添加
注意点:保存料は使ってなくても、日持ち向上のために別の添加物を使っていることがある。
だからこそ「表示を鵜呑みにしない」視点が大切
一括表示欄や原材料名をチェックする習慣をつけると、見えてくるものが変わってきますよ。
参考資料:食品添加物の不使用表示に関するガイドラインの10類型イラスト、消費者庁・食品添加物の不使用表示に関するガイドライン、食環境衛生研究所・無添加表示の10類型をわかりやすく解説
完全無添加と無添加の違い
そもそもの話ですが、完全無添加とは、原材料から製法・加工、最終工程に至るまで、添加物が一切使われていない状態を指すはずです。
しかし実際はこの言葉が使われることは少なく、無添加とだけ表示されている商品を多く見かけます。
その理由のひとつが、製造過程で添加物が使われていても、完成品に残らない、あるいは微量で影響がないと判断された場合は、表示義務がないというルールがあるからです。
たとえば、保存料を使っていなければ「保存料無添加」、着色料を使っていなければ「着色料無添加」と表示することができます。
でも、何に対して無添加なのかを明示せずに「無添加」とだけ書かれていると、すべての添加物が使われていないように見えてしまうこともあり、消費者が誤解する可能性があります。
なぜ「完全無添加」とは言い切れないのか?
製造の一次工程・二次工程すべてにおいて、添加物が一切使われていないことを証明するのは、実はとても難しいことなのです。
そのため、企業も「完全無添加」とは言い切れず「〇〇無添加」といった限定的な表現を使うことが多くなっているのが現状です。
企業のマーケティング手法にも注意
企業は「安心・安全」をアピールするために「無添加」「自然派」「ナチュラル」などの言葉を使うことがあります。
でも、その言葉が実際の成分や製造方法と一致しているとは限らないんです。
たとえば…
・無添加おせち→一部の食材にのみ添加物が使用されていない
・自然派ジュース→香料や甘味料が添加されている
こうした表示は、法律違反ではないけれど、誤認を招きやすいという点で注意が必要です。
無添加に迷ったら、後悔しない選び方を
色々情報を出してきましたが、添加物すべてが悪いものではありません。
むしろ、食品の安全性や保存性を支えるために使われているものも多くあります。
なぜこんな話をするかというと、
無二ぱんだの家系は全員が胃腸が弱く、何らかのアレルギーを持っていて、食事はほとんど和食。外食は一切せず、出前も取らない生活を送っていました。
そんな無二ぱんだが、50歳を目前に控えたある日、救急車を呼ぶか迷うほどの腹痛に襲われ、救急外来へ。
翌日には入院し、数日後に退院。
現在の食生活は、洋食系は絶食、果物全般禁止(アレルギー)、肉禁止、生野菜禁止、焼いた野菜も禁止、天ぷら・揚げ物系も禁止。
食べられるものは、お米とパン、うどん(具無し)、卵類、そしてクタクタに茹でた野菜のみ……という生活になっています。
でも、若い頃から食べ歩きが趣味で、旅行へ行ったり、好きなものをたくさん食べてきたので、今さら食事制限を受けても後悔はありません。
たくさん食べてきたからこそ、そう思えるんです。
病気になる時は、どんなに気を付けていてもなる時はなります。
だからこそ、無二ぱんだが本当にお伝えしたいのは、
「病気になってから、もっと食べておけば良かった」と後悔して欲しくないということです。
もし「完全無添加」を目指すなら、味付けを一切せず、茹でただけ・焼いただけの食事になります。
あなただけはそれでも良いかもしれません、しかし家族の体質に合った選択を見失ってはいけないと思うのです。
では次は、購入衝動に駆られた時にできるチェックリストです。
ブックマークに入れたりして時々復唱してみてください。
表示を見極めるためのチェックリスト
・表示の無添加は、何を指しているか?(保存料?着色料?)
・無添加と書かれていても原材料を確認
・「自然由来」「オーガニック」の違いを確認
・赤ちゃん・高齢者でも成分表示は必ず確認
自然由来:自然世界には毒素を持つ植物や動物、人体にアレルギー反応を起こす成分が存在します。毒キノコや杉、ブタクサ、イネなどの花粉アレルギーなどがそうですよね。
それらから化学的に人体に影響を及ばさないように分子構造の一部を変更したものを指す
オーガニック:指定された農薬を使って作られたもの。オーガニック=無添加ではない
まとめ 安心は表示ではなく、納得から生まれる
無添加と書かれていると、つい安心してしまう。
その言葉の裏にある意味や背景を知ることで、本当に自分や家族に合った選択ができるようになります。
何度もいいますが、添加物はすべてが悪いわけではありません。
そして無添加も、すべてが安心というわけではありません。
大切なのは、表示の背景や成分の目的を知り、納得して選ぶことが大事。
私たちは、毎日たくさんの情報に囲まれて暮らしています。
だからこそ、誰かの言葉やイメージに頼るだけではなく、自分の納得を大切にすることがいちばんの安心につながるのではないでしょうか。
この文章が、あなたの食卓の参考情報として届けられたのならうれしいです。
ああ余談だけどね、昔ながらの手法で作られている醤油や塩(岩塩、海水)は煮詰めて乾燥し結晶化したものだから、通常であれば添加物を入れる余地が無いのよ。
あえて無添加という言葉を付けていることになるから、記事内で解説した10類型の3と8に該当するから注意が必要よ。