「Ghost of Tsushima」という海外のゲーム会社が日本の武士道を描いた内容で2020年に話題になりました。
ゲームを作った会社は、日本が好きで特に黒澤明監督が好きすぎて憧れていて、ゲーム画面は色鮮やかなカラーモードと白黒のモノクロモード、2つの選択でのプレイが可能、オープンワールドでサブクエストがたくさんあり、刀を抜き戦うモーションが実によく表現できていると評価が高かった作品でもあります。
ストーリー上、次にどこへ行くかの表現が情緒豊かで凄く風情があると称賛されたこともあります。
当時のストーリートレーナーがこちら。
このゲーム内に、登場人物が亡くなった際に蛍が飛ぶ、蝶が飛ぶという演出があり、日本に古くから伝わっている「人は亡くなったら蛍となって還って来る」という諸説を知っていると泣けるシーンがあるのですが、そこでふと幼少期のことを思い出しました。
このブログでは主に父と母に関しての病気に関わる話しかしていませんが、実は祖母にも波乱万丈な人生がありました。すでに亡くなってしまっているため死人に口なしと思いあまり話すものではないかなと思って書いていません。
ですので、少しだけ、まだ祖母と一緒に暮らしていた頃まで話をさかのぼります。
当時、ぱんだはおばあちゃん子でした。
二世帯住宅で祖母は一階、ぱんだ達家族は二階に住んでいたのだが、お茶の先生をしていた祖母のお部屋を訪れるといつも美味しいおやつを貰えていたので入り浸っていました。
そんな折、戦後の話を懐かしそうに話す祖母から、
「人は亡くなると蛍となって還って来るんだよ」
「蛍?蛍は夜にならないと還ってきてるかなんてわからないじゃん」
「あははは、そうだねぇ。じゃぁぱんだちゃんは何なら良いのかな?」
「うーーん。黒いアゲハ蝶とかどう?普通のアゲハ蝶より大きいし滅多に見れないから飛んでたら珍しいしすぐ見つかると思う!」
「うんうんそうだね。じゃぁおばあちゃんが死んだら黒いアゲハ蝶となって還って来るわね」
「うん!約束ね」
無邪気なぱんだがまだまだ元気だった祖母と約束を交わしたのは、幼稚園児の頃でした。
そこから三十数年後、祖母は認知症となり老衰で亡くなりました。享年95歳。大長寿です。
その後、四十九日のお祓い、一回忌、共に同じお寺で行うことにしたぱんだ達家族は車でお坊さんがいるお寺の駐車場に車を停車していたときのこと。
黒いアゲハ蝶が一匹、どこからともなくふわふわと飛んできて、止めていた車に止まったんです。
他に虫なんて一匹も飛んでいない竹林がある砂利道で。
父と母は、
「珍しいわねーこんなところに黒いアゲハ蝶がいるなんて。それも止まるなんて」
「あぁ、ほんとうだな。黒いと目立つな」
大きな黒いアゲハ蝶に見とれて会話する様子に、ぱんだも黒いアゲハ蝶をぼーっと眺めていたら、黒いアゲハ蝶は父の前を、母の前をふわふわと飛び、ぱんだの周りを一周飛ぶと、お墓がある方へ去って行ったのです。
その時、幼少期に祖母と約束したことすっかり忘れてまして。
冒頭で話したGhost of Tsushimaのシーンで、幼少期に祖母と約束した内容を急に思い出したのですよ。
あぁ、幼少期に約束したことを祖母は覚えていて、ちゃんと還ってきてくれていたんだ。それなりにすっかり忘れてしまっていて気づいてあげられなくてごめんね。
Ghost of Tsushimaのとあるシーンで、祖母に詫びる気持ちが溢れ涙が溢れてしまったのでした。
不謹慎なお話かもしれませんが、死後姿を見せて欲しいと思う相手には、蝶や昆虫の何かで姿を見せにきて欲しいと約束すると良いかもしれません。
ちなみに相方家でも、何かの昆虫がお墓参りのときに登場したら、祖父が会いに来たと親戚家族一同で周知されており、その昆虫を見かけると今年も来てくれた、という会話がされるようです。何の昆虫だったのか、聞いたのですが忘れてしまいました(;´Д`)
Ghost of TsushimaはPS5、PS4から出ていますので、良かったらどうぞ。
では、また。