20代後半頃に一緒に働いていた同僚がいつも良い香りを漂わせていた。
すれ違うときはもちろん、彼女が歩いたあとには彼女の香水の香りが漂いどう歩いて行ったか判るぐらい。
彼女に「香水って何を使ってるの?」
気軽に声をかけられない自分がいた。
だって本当に香水なのか柔軟剤なのか、はたまた違うものか地味ぱんだには知る知識がなかったから。
それから半年がすぎ冬から夏になったら香水をつけていた彼女の香りは本当に凄くいい香りで。
毎日違う香りというのもまたそそられるものがあって。
あるとき、ぱんだの好きな香りが彼女から匂ってきた時は、その香りをずっと嗅いでいたい、自分の手元に置いておきたいという衝動にかられ、勇気を振り絞り彼女に声をかけた。
「あの……その香りってなんですか?」
随分失礼な質問である。
緊張から必要な情報が飛び、挙動不審な質問となっていたぱんだに、彼女は一瞬驚いた顔を見せたがすぐに満面の笑顔になり、よくぞ聞いてくれたといわんばかりの熱いトークを展開し始めたのだった。
そこから香水に興味を持ち始め、仕事帰りに彼女がよく行くという香水を数多く扱っているお店へ一緒に行き、店員さん交えて雑談したり、彼女の香水の豆知識などを聞いているうちに気づけば一人で香水の瓶を発見すればそのお店へ立ち寄り、ネット通販で香水を調べたり、予約して買って見たりと香水の沼に片足突っ込んでいたのです。
人の探求心は侮れなくて、香水を付けるにはどこがいいか?受け取る情報をそのままにしているだけでは済まなくなると、なんで?どうして?疑問が湧き、調べ始めるよね。
香水のパッケージ裏を見ると必ず記載がある、トップ、ミドル、ラストの3つ。
香水を知っているあなたにはすでに当たり前の知識だが、初見だとこの意味は良く判らない。
ぱんだはお店のおねーさんに意味を聞いてみた。
香水のトップ、ミドル、ラストとは
そもそも香水は1日中匂いが持続するものではありません。
比較的手首や首のうなじなど、脈打ち体温が維持できる場所へ吹き付けて塗り、付けた場所へ鼻を近づけてうっすら香るまでが6時間ぐらいを前提。
ぱんだの表現でいうと、
トップ・・・瓶からシュッと吹きかけたときに匂う香り
ミドル・・・香水を付けて1~2時間後に漂う香り
ラスト・・・つけた場所に鼻を近づけて香る。トップの香りの奥に鼻に重厚感の匂いを感じたらたぶんココ。ムスクとかイランラインとかサンダルウッドとか。
元来の香水の成分はアルコールと水と天然香料でしたが、天然香料の中には高価な精油を使用していることもあり、抽出する手間から合成香料を使用し作る香水も増えてきている。
精油といえばでアロマを思い浮かべる人もいると思いますが、アロマ精油はオシャレなロウソクに練り込まれていたりして、火をつけて溶けていく過程で香るものと同様に、香水も天然香料だと香りが持続しないんです。
ですので、天然香料に似せた合成香料を使い香りを長時間持続させる方法が主流になっています。
ブランドの香水ボトルは高価
香水の沼にハマり始めると、次に欲しくなるのはフルボトル。
でもねー、フルボトルの香水瓶のデザインがオシャレだったり洗練されていたり可愛かったりするけど、割とお値段がお高い。
それよりも半分以下の小さいミニボトルもあるけど、これを持ち歩いて使うか?といえば、NOとなっちゃう。
なぜって香水のミニボトルってさ、吹き口が霧吹き状じゃなくてガラス瓶の中に入ってる液体に蓋を締めてるだけの物が多くて、持ち歩きしたときになんらかのアクシデントで蓋が空いてしまったら……とかバッグの中に香水が流れ出して内側で香りの大爆発事故が起きるのをイメージしちゃって悩むのよ。
すっごく悩んで悩んで悩みぬいてフルボトルを1つ購入して、それ以外で気になった香水はミニボトルを購入。ミニボトルなら1つ1500円からだからね。
んでもミニボトルを実際に使うか?っていったら、塗って使うよりもボトルが可愛いからコレクションして飾って楽しむ感じに行きついてしまうんだよね。そうじゃない?
かといってフルボトルとなると50mlあって、外出先で1日中香りを持続したいならアトマイザーという霧吹き状になっている円柱状のガラス容器に移し替えて持ち歩くことになるんだよね~。
1種類に1アトマイザーっていう感じで。
画像にあるのは、ぱんだの持ち物の香水でこれは50mlのフルボトルなんだけど、手のひらに乗るぐらいの大きさはある。大きさで例えるとiPhoneXの大きさぐらい。
同じ香りを無くなるまでずっと使用する人もいるとは思うけど、どうせなら他の香りもつけてみたくなっちゃわない?
エタノールが成分に入っていて熱で蒸発しちゃうから、高温の場所に置いておくことは出来なくて、ボトルを買えば買うほど保存場所もかさばっちゃう。
ぱんだはそこで香水も良いけれど、香水の原材料に使用されている天然香料……花びらや自然の木々から抽出される精油に興味が移ったの。
エタノールは市販でも売っているから、精油さえ好みのをいくつか購入したら、自分の好きな香りを混ぜてオリジナルのアロマ香水を作れるんじゃないか。そしたらフルボトルだと1万円ぐらいするものを買うことなく、好きな量で作れて一石二鳥かなーって。
まぁ用意する道具だったり、精油やエタノールの管理となると、フルボトルの香水と同じかそれ以上の数になるわけだから、かさばるという点では同じになるんだけども…。
色々な香りを試して独学で学んでいったら、それは傍から見たら調香師といえなくもないしさ。
そうやって精油から深堀していくとエッセンシャルオイルが気になり始め、調香師とはどういった場所で働いてる人になるのかを調べ始め、そこからアロマ、精油が関わっているらしい……それなら同じく良い香りを出す柔軟剤、リビングの消臭剤、トイレの芳香剤に使用されている香りも同じ種類のものかと幅広く調べたくなる情報が飛ぶ飛ぶ。
お風呂の入浴剤として売られているバスソルトに使用されているオイルも精油だったりするし、優しい香りが長時間持続することで人気な1つ1万円のアロマキャンドルもあったり。
となると、1個1万円のアロマキャンドルと1個110円のアロマキャンドルの価格の違いはブランド名だけなのか?とか気になってくると調べたくなるじゃない。
最初は、ただただ同僚から良い匂いが気になっただけなのにね。
きっかけは些細な出来事でも、そこからなぜどうしてを追求して掘り下げていくと、思いがけない情報に辿り着いたり気になる資格や職業を知る機会を得たりするから、面白い。
なぜどうしても個人差があるから、ぱんだと同じような興味で深堀する人もいるかもしれないし、全く違う初めて日本に香水というものを運んできた人物や開発者から調べていく人もいるだろうし、そこはあなた次第。
だから、あなた自身や子供がこれをやってみたい、あれをやってみたい、将来これになりたいと言っているなら、取り合えずやらせてみるのはありだと思う。
なりたいやってみたいと思う気持ちの奥底にある本音が、実際に体験してみることでどういう化学反応を示すか、それは不安要素をいくつか挙げて否定するより手っ取り早くて簡単だから。
もちろん怪我や借金とかになりそうな場合のケアは十分に準備して。一人で抱え込まないよう相談しやすい環境や人脈作りが大事になってくるけどね!
香水に興味を持ち、調香師や精油に興味が移って行った話 まとめ
最後に、フルボトル香水を買うのはちょっと悩んじゃう。かといってお店で香水の試し香をやったら買わなきゃいけないプレッシャーで出来ない、というあなたには、香りの定期便で相談してみるのも良いよ。
自分じゃ絶対に思いつかないような香りを選んでくれる香水コンシェルジュがいるから。
沼にハマるきっかけは、どこに転がっているか判らないからね。
殻から外に出るきっかけになるかもしれないから、脱皮してみるといい匂いに釣られてぱんだのような男性から声をかけられちゃうかも!?