今週のお題「餅」
数年前の出来事。
当時ぱんだは職を失い、次の仕事を見つけるべく面接の日々、表と裏の探り合い、緊張でカチコチになった作り笑顔をしながらの10分はとても長い時間のようで終わりはあっという間。
会話がスムーズで質疑応答しつつ和やかな雰囲気でこれは受かるかも!
意気揚々とした後の不合格の連続はモチベーションがだだ下がり、会社と私自身の相性なはずなのに私自身を否定されたような気持ちになり、全てが嫌になっていました。
なんとか年内中に仕事に就きたいと思っていましたが、それも叶わず。
浮かない気持ちのまま年末を迎え、新年。
人間不信に陥り落ち込んでいた私に、友人がこうなったら神頼みしに行かないか?と浅草寺への参拝を誘ってくれたのです。
行く気力さえ残っていなかったのですが、お昼ご飯を奢るという言葉に誘いを受けてしまった私。
護摩札に仕事が見つかるように願掛けし、お昼ご飯前にスイーツでも、と浅草で豆カンで有名な「梅園」へ。
お昼ご飯を楽しみにしていたのでスイーツという気分ではなく、メニューを見ても今一つな気分でしたが、お正月特別メニューのお雑煮が何故だか輝いて見えたのです。
友人から、豆かんが有名なお店で雑煮を頼むなんて、と笑われましたが、頑固として譲らずお雑煮に決定。
お雑煮が来るまでの間に友人が私を励まそうとあれこれ話をしてくれるものの、どれも心に刺さるものもなく、サービスで渡されたお茶をチビチビと飲みつつ苦笑いを浮かべる私。
誘ってくれる気持ちも嬉しいし、何かしら元気づけようとしてくれる友人の気持ちが嬉しいものの、新年明けたらまた面接の日々が始まると思うと憂鬱でしかありませんでした。
苦笑いをしつつ適当に相槌を打っていた時に運ばれてきたお雑煮。
蓋を開ければ、関東風味のお出汁に椎茸、海老、うずらの卵、銀杏、タケノコ、焼いたお餅が2個入り三つ葉と柚子の皮が添えてふわ~~と湯気とお出汁の良い香りが一気に食欲を掻き立てられ。
頂きます。
紅葉にカットされた人参も柔らかく出汁がしみ込んでいて美味しい、しいたけも染み染み、すまし汁のいい香り、お雑煮も弾力がありアッツアツの汁とお餅を交互に食べると冷えていた心がほぐれていきました。
あぁ……この一杯の為に生きてる。
そんな気持ちにさせてくれる一杯のお雑煮でした。
ご馳走様。
新年良いお雑煮に出会え、護摩札が効いたのかこの後に受けた面接が合格!
幸先が良いスタートを切れたのでした。
その後そのお仕事は5年ほど勤め寿退社し引っ越しをして。
そこから5年が経過。
以前よりも距離は遠くなりましたが、またあのお雑煮に会いに行こうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
記事が面白かった、役に立った、参考になったと感じたら読者登録をしますと新たに記事が更新された際に通知が飛ぶようになっています。 見逃すことが無くなりますので、読者登録していただけると嬉しいです。